戦う君よ、世界を愛せるか。

自己泥酔でふらふらなオタク

自担のソロから紡いだ3つの物語〜【”Pinocchio”】考察〜



今年7周年を迎える7人組、ジャニーズWEST
彼らの7枚目のアルバム、と景気良く「7」が並んだ今作「rainboW」

…と、前置きをダラダラと書いている時間はない。淳太くんがヒントを出してしまう。
時間があればここは追記する。




さて本題。"Pinocchio"の考察いきます。
今回私がこの曲から読み取った物語は全部で3つ。後半になるにつれ物騒でファンタジーになります。


大切にした部分は

・淳太くん本人からのヒント「Who done it?」=「誰がやったか?」
このフーダニットというのはミステリ小説用語で、犯人は誰かを導き出すことに重点を置いた小説のこと。つまり、曲中に"何か"が起こり、それを起こしたのは"誰か"
・"Pinocchio"が指すものは何か
・「ボク」「キミ」「僕」「君」の整合性
・「あなた」「アナタ」を使い分ける意味
・「糸」や「鼻高々」のダブルミーニング
・曲中に3回出てくる同じような言葉が「心は奪われた」「心が奪われた」「心を奪われたんだ」と、全て接続詞が異なっていることから、これらはそれぞれ別の意味、または別視点であること


では行きます。長いです。
それぞれ見出しで飛べるようになっているので、気になったお話だけ読んでみてください。




その①

嘘吐きな男女3人のお話

ボク=僕(同一人物)
ボク:現在の嘘吐きな自分
僕:純粋に君を愛していた過去の自分

キミ:純粋な女の子
君:僕が愛した嘘吐きな女の子

カタカナ→嘘吐きの視点、嘘の言葉
平仮名、漢字→純粋な人の視点、本心の言葉

"Pinocchio"=嘘吐き

はじめて会ったその時 ボクの心は奪われた
今すぐキミに近づきたい
はやる気持ちを抑え 忍び足
繋がった糸が 絡まないようにね

時間軸は今。現在の嘘吐きで遊び人なボク視点。
キミという純粋で可愛らしい子を見つけた。
『心は奪われた』は興味を惹かれた。
『繋がった糸が絡まないようにね』は既に複数人と関係を持っていることがバレないように。

やっと夢が叶ったんだ
今じゃボクの隣で キミが笑っている

ボクの思惑通り、キミとも関係を持つことが出来た。

「I am Pinocchio」

サビ前の台詞"ボクは嘘吐き"

「あなただけ」
腕の中 キミの言葉 そっと耳をなぞった
「アナタだけ」
そうボクも頷いた
幸せな時間 鼻高々
今日もボクは 鼻高々

ボクがキミを抱き締めている状態。

キミの本心の「あなただけ」→キミはボクに本気
ボクの嘘「アナタだけ」→ボクには他にも相手がいる

愛する人に抱き締めてもらえているキミにとっては『幸せな時間』で『鼻高々』
キミを上手く騙せているボクにとっても『鼻高々』

ここの『鼻高々』は両者ともダブルミーニング。(嘘を吐いているので鼻が伸びる/満足気)
何故キミもなのかは最後に。


はじめて会ったその時 僕の心が奪われた
それがはじめての恋だった
ドキドキがバレないよう 忍び足
繋がった糸が 絡まないようにね

過去回想。純粋だった頃の僕の初恋の話。
君という女の子(1番のキミとは別の人)に恋をした。
『心が奪われた』は本気の恋をした。
『繋がった糸が絡まないようにね』は
せっかく君と持てた接点(赤い糸が繋がったと思っている)がダメになってしまわないように。

でもそれもバレてたんだ
今じゃヘタだったねと
ボクも笑ってしまう

現在の嘘吐きになってしまったボク視点。
初めて恋をした当時の僕はあの手この手で君にアプローチして、見事結ばれた。僕は僕なりに策略を張り巡らせて君をオトしたつもりだったけど、それは君にはバレバレで、今思い返せば全て君の掌の上だったんだね。
騙されているとは知らず君に溺れるあの頃の僕は、純粋で恋もヘタクソだったねと現在の嘘吐きな自分が自嘲するので『ボクも笑ってしまう』

「Are you Pinocchio?」

サビ前の台詞"君は嘘吐き?"
純粋な僕にも何らかの疑問が生じ始める

「あなただけ」
星の瞬いた夜に 僕は君に誓った
「アナタだけ」
そう君も頷いた
腕の中 見えた 鼻高々

僕が君を抱き締めている状態。1番との対比。

僕の本心「あなただけ」→僕は君に本気
君の嘘「アナタだけ」→君には他にも相手がいる

ここの『鼻高々』は嘘を吐いている方の意味。
僕の腕の中にいる君が嘘を吐いていることに、僕は薄々気付いていた。

やっとの思いで掴んだ ひとつだけの運命
辿った先で たくさんの糸を手に踊る君が
僕に微笑んだ

やっと叶えた初恋だと思ったのに、やっぱり君には別の相手が何人もいた。
悪びれる様子もなく僕に微笑みかける君。僕はただ遊ばれていただけだった。

その姿に 心を奪われたんだ
ねえ見てよ 今じゃボクの方が上手に踊れるよ

『心を奪われたんだ』は、ショックで純粋に恋する心を失ってしまった。
ここで時間軸が現在に戻ってくる。
今ではあの頃の君のように…いやそれどころか君よりも上手く沢山の相手をボクは手玉に取っているよ。

「ねえ見てよ」

サビ前の台詞。
人間と人形のような音声が二重なのは
あの頃の僕が自分だけを見てほしかった"ねえ見てよ"と今のボクが君のようになってしまった姿を"ねえ見てよ"
恐らく君に未練タラタラ。

「あなただけ」
星も眠りだした夜に キミと僕が重なった
「アナタだけ」
そう2人頷いた
…幸せな時間

時間軸は現在。
1番に出てきたキミのボクへの本心「あなただけ」
そうやって純粋にボクに恋するキミが、昔同じように騙されているのに心から君を愛していた僕とダブって見えた『キミと僕が重なった』
ボクは相変わらず「アナタだけ」とキミに嘘を吐く。
ここの『2人』はキミとボク。
キミ視点で本心のハズな『…幸せな時間』に三点リーダーが付いていることから、雲行きが怪しくなる。

「Are you Pinocchio?」

ここ多分台詞入ってる気がするけど上手く組み込めないんだなよなぁ。
三者…この曲の聞き手視点でキミの嘘(後述)に気づき始める"キミは嘘吐きなの?"かなぁ。

「あなただけ」
僕は君に誓った(初めてだった)
「あなただけ」
…シアワセな時間 鼻高々
今日もボクは 鼻高々

エピローグ。
僕は君に初めて恋をして、人を愛することを知ったんだよ。「あなただけ」と君に誓った言葉に嘘はなかった。
けれど君はもう僕(ボク)の傍にはいなくて「アナタだけ」と偽りの言葉すら返ってこない。僕(ボク)の「あなただけ」がこだまする。

『…シアワセな時間 鼻高々』
ここで初めて純粋なキミの視点がカタカナになることから、キミは嘘を吐いている。それはさておき
『今日もボクは 鼻高々』
相変わらず複数人と遊んでいるボクは、そのことを自慢気に思っているし、嘘を吐き続けているので鼻も伸びている。



曲中は全てボク(僕)の視点であり、ボクが語るお話だった。
それが終わると女性のような声で笑いが入る。
この声はボクが騙して遊んでいると思っていた「キミ」の声で、本当はキミは全部知っていた。(1番のキミの『鼻高々』ダブルミーニングや『幸せな時間』が『…』と『シアワセ』と変化していくことに繋がる)キミもまた、ボクで遊んでいただけなのだ。

ボクはそれに気付いていないので、曲中のキミの言葉「あなただけ」は本心だと思っている→平仮名表記である。
最後はそんなボクを嘲笑うキミの声。
結局全員嘘吐きで、同じことを繰り返して誰も本当に幸せになれないまま物語は永遠に続いていくんでしょうね。


Who done it?=全員


これが、私が組み立てた物語の中で一番整合性が取れていて、かつ物騒ではないお話。





その②

「ぼく」が「きみ」に人形にされるお話

主な登場人物は二人

ボク=僕(同一人物)
ボク:現在の人形にされたぼく
僕:過去の人間だった頃のぼく

キミ=君(同一人物)

カタカナ→人形(現在)視点、実際には発していない言葉
漢字・平仮名→人間(過去)視点、実際に発している言葉

"Pinocchio"=人形


はじめて会ったその時 ボクの心は奪われた
今すぐキミに近づきたい
はやる気持ちを抑え 忍び足
繋がった糸が 絡まないようにね

現在人形であるボクが過去を振り返って語るパート。
語り手がボク(人形)であることから、その視点から見る「キミ」はカタカナ。

やっと夢が叶ったんだ
今じゃボクの隣で キミが笑っている

現在、人形のボクと人間のキミは一緒にいる。

「I am Pinocchio」

"ボクは人形"

「あなただけ」
腕の中 キミの言葉 そっと耳をなぞった
「アナタだけ」
そうボクも頷いた
幸せな時間 鼻高々
今日もボクは 鼻高々

時間軸は現在。
人間であるキミが人形のボクを抱いている状態。

キミ(人間)が実際に発した言葉なので平仮名「あなただけ」
ボクは人形なので言葉を聞くことが出来ない『そっと耳をなぞった』

ボク(人形)の言葉なのでカタカナ「アナタだけ」
ただしボクはやはり人形なのでこの言葉自体は発することが出来ていない。

『ボクも頷いた』は人間のキミが人形のボクを動かして頷かせている。まるで人形遊びのように。

キミもボクも本当に愛し合っている。
互いに愛する人といることが出来て幸せであり、鼻高々である。(ここに嘘はない)


はじめて会ったその時 僕の心が奪われた
それがはじめての恋だった
ドキドキがバレないよう 忍び足
繋がった糸が 絡まないようにね

過去回想。Aメロは基本的に1番と同じ場面。
ただし、1番は人形の現在のボクが話の一つとして語るのに対し、これは人間の僕視点。
わかりやすく言えば漫画の過去編的な。
人間の僕視点から見ているので「君」は漢字。

でもそれもバレてたんだ
今じゃヘタだったねと
ボクも笑ってしまう

僕が君に恋していたことは、君にはバレバレだった。
現在の人形であるボクから見れば、初々しくてヘタクソだったねと思わず笑ってしまうくらいに。

「Are you Pinocchio?」

君の言葉"アナタは人形?"
(私の人形となってくれる人なのね?)
直接僕に言ったわけではない。

「あなただけ」
星の瞬いた夜に 僕は君に誓った
「アナタだけ」
そう君も頷いた
腕の中 見えた 鼻高々

1番では語られなかった過去回想。
人間の僕が人間の君を抱き締めている状態。

僕(人間)が実際に発した言葉「あなただけ」
僕は君への偽りない愛を誓った。

実際には発していない君の言葉「アナタだけ」
君は僕の「あなただけ」に言葉は返さずに、腕の中で静かに頷いた。

『腕の中 見えた 鼻高々』
腕の中の君は嘘を吐いていることに、僕は気付いてしまう。

やっとの思いで掴んだ ひとつだけの運命
辿った先で たくさんの糸を手に踊る君が
僕に微笑んだ

僕は君と真に結ばれたと思っていたけれど、ある日君は沢山の人形の糸を手にして、踊るように操って遊んでいた。
君は愛した人達を人形に変えて永遠に手元に置いておく、狂った人だった。
そんな君が僕に微笑みかける。

その姿に 心を奪われたんだ
ねえ見てよ 今じゃボクの方が上手に踊れるよ

そんな君を僕は美しいとさえ思ってしまった。
『心を奪われたんだ』
その瞬間に、人間の僕の心臓は君に奪われてしまった=僕は人形にされてしまった。

けれど僕は人形にされてしまったことを不幸だとは思わなかった。何故なら君が本当に愛するモノの姿になれたから。
ねえ見てよ、今じゃボクは他のどの人形よりも一番上手に踊れるんだよ。
そしてボクは君(キミ)の一番のお気に入りになる。

「ねえ見てよ」

音声が重なっているのはその他大勢の人形たちの声。そいつだけじゃない、こっちも見てよ。捨てないでよ。

「あなただけ」
星も眠りだした夜に キミと僕が重なった
「アナタだけ」
そう2人頷いた
…幸せな時間

1番のサビと同じ場面。
人間の君(キミ)の言葉。ボクという人形だけを愛するようになった「あなただけ」
人間だった頃の僕が本当に手に入れたかった君を、自分が人形になることでキミを手に入れた、結ばれた『キミと僕が重なった』

けれど僕は人形で、相変わらず言葉を発することが出来ないのでカタカナの「アナタだけ」
人間の君(キミ)は頷きながら、人形のボクを頷かせる。人形遊び。幸せだね。

「Are you Pinocchio?」

やはりここがネックである。
そもそも本当に「Are you Pinocchio?」なのか?「I am Pinocchio」に聴こえないこともない。だとしたら辻褄が合う。
人形にされた"ボクは人形"
もしくは後述する理由により自分は人形だと言い聞かせる"ボクは人形"

「あなただけ」
僕は君に誓った
「あなただけ」
…シアワセな時間 鼻高々
今日もボクは 鼻高々

人間だった頃の僕は「あなただけ」だと君に誓った。けれどその頃の君にとって僕は唯一ではなかった。だから僕は人形になることで君の一番になることができた。
人形を愛する君の一番であるには、人形のままでいなければならない。
本当は、人形のボクは「あなただけ」と喋ることが出来るのかもしれない。
淳太くんの「ピノキオも最後笑う」は曲終わりの笑い声のことだと思うのだが、ピノキオ、つまり人形のボクは本当は笑うことが出来るんだよ、と。

けれどそんなことをしてしまえばこの幸せな時間が『…シアワセな時間』に、つまり壊れてしまうかもしれない。
だからボクは君(キミ)の傍にあり続ける為に、ただの人形であると嘘を吐き続ける『今日もボクは 鼻高々』

そうして2人(1人と1体)は、永遠に人形遊びを続けて幸せに暮らしましたとさ。


Who done it?=人間を人形に変えた君(キミ)


フラゲ日前に「仄見える少年」で人形使いの話を読んでしまったばかりにめちゃくちゃそれに引っ張られた。(不可抗力)
私の好きなメリーバッドエンド。





その③

ピノキオが人間を乗っ取るお話

主な登場人物は二人

ボク=君(同一人物)人形から人間に
僕=キミ(同一人物)人間から人形に

ボク:ピノキオという人形(自我があり自立する)
キミ:人間
僕:人間
君:ピノキオという人形(自我があり自立する)

カタカナ=人形の視点、人形の言葉
平仮名、漢字=人間の視点、人間の言葉

"Pinocchio"=ピノキオ


はじめて会ったその時 ボクの心は奪われた
今すぐキミに近づきたい
はやる気持ちを抑え 忍び足
繋がった糸が 絡まないようにね

ボク(人形視点)
イントロの掛け合いからピノキオ(人形)のショーが始まる。
人形であるボクは、ある日観客の人間であるキミを見つける。
『心は奪われた』は憧憬。なんて素敵な人間なんだ!
『キミに近づきたい』は恋や愛ではなく、人形のボクがキミのような人間の姿になりたいという意味。ミスリード。ボク(ピノキオ)は最初からキミを乗っ取るつもり。
『繋がった糸が 絡まないようにね』
ボクは人形なので沢山の操り糸が繋がっているけれど、それがもつれないように憧れのキミに会いにいく。

やっと夢が叶ったんだ
今じゃボクの隣で キミが笑っている

夢が叶ってキミと会えたボク。
経緯は2番にて。

「I am Pinocchio」

キミと会った時の自己紹介"ボクはピノキオ!"

「あなただけ」
腕の中 キミの言葉 そっと耳をなぞった
「アナタだけ」
そうボクも頷いた
幸せな時間 鼻高々
今日もボクは 鼻高々

人間のキミが人形のボクを抱き締めている。

キミ(人間)の言葉「あなただけ」
そんなキミを利用しようとしているボク(人形)の言葉「アナタだけ」

キミ(人間)は大好きな人形と一緒にいることが出来て『鼻高々』
ボクは嘘を吐いている『鼻高々』


はじめて会ったその時 僕の心が奪われた
それがはじめての恋だった
ドキドキがバレないよう 忍び足
繋がった糸が 絡まないようにね

僕(人間視点)
1番の出来事はピノキオ視点であったが、2番は同じ出来事を僕(人間)の視点から描いている。
『心が奪われた』はショーを見てピノキオ(君)に一目惚れ。
どうしようもなく君に惹かれた僕は、劇場に忍び込みバレないように人形の君を盗み出す。

でもそれもバレてたんだ
今じゃヘタだったねと
ボクも笑ってしまう

僕の行為は劇団側にバレていた。
けれど、1番の視点よりピノキオも人間に会いたかったので、僕の過ちを上手く隠してあげた。
あの時のキミ(2番視点では僕)はヘタクソだったね、とボク(2番視点では君)も振り返って笑ってしまう。

「Are you Pinocchio?」

1番台詞と同じ出会いの場面。
僕の台詞"君がピノキオかい?"

「あなただけ」
星の瞬いた夜に 僕は君に誓った
「アナタだけ」
そう君も頷いた
腕の中 見えた 鼻高々

1番サビと同じ場面。
人間の僕が人形の君を抱き締めている状態。

僕(人間)の言葉「あなただけ」
そんな僕を利用しようとしている君(人形)の言葉「アナタだけ」
腕の中の君は鼻が伸びているように見えたけれど、何故だろう。

やっとの思いで掴んだ ひとつだけの運命
辿った先で たくさんの糸を手に踊る君が
僕に微笑んだ

盗みを行なってまで人形の君(ピノキオ)を手に入れた僕。
僕は大好きな君の操り糸を絡まぬよう動かして踊らせている。(人形としての本来の使い方)
ふと君が僕を見て微笑んだ。あぁ、なんて美しいんだろう。

その姿に 心を奪われたんだ
ねえ見てよ 今じゃボクの方が上手に踊れるよ

ここで一気に事が起こる。
ピノキオは最初に画策していたように、僕(人間)を乗っ取る。
『心を奪われたんだ』は僕が人間としての心をピノキオに奪われてしまった。(ただし一瞬ではなく徐々に心を失っていく、後述)

人間になりたてのピノキオの一人称はまだボク「ねえ見てよ、人形だった時より上手に踊れるよ。なにせ人間のカラダを手に入れたんだからさ!」

「ねえ見てよ」

人間となったピノキオの台詞。
人間になりたてなので人形と人間の声が混ざったような二重音。

「あなただけ」
星も眠りだした夜に キミと僕が重なった
「アナタだけ」
そう2人頷いた
…幸せな時間

カラダを奪われ、人形になり意識が遠のいていく中、それでも僕は「あなただけ」と呟く。
ここまで散々言ってきたがこの人間は「キミ」であり「僕」なので『キミと僕が重なった』つまり同一人物だったんだよという謎解きパート。

ついには人間としての心がなくなり、完全に人形となった元人間は呟く「アナタだけ」
既に人形となっているのでここはカタカナ。
カタン、と意識のなくなった人形が首を垂れる。それを見て目的を達成したピノキオは嬉しそうにうんうんと頷く。それぞれ別の意味での『2人頷いた』

あぁ、やっと人間になれた!幸せだな!

「Are you Pinocchio?」

三者、もしくは天の声の台詞"きみはピノキオかい?"
けれどもピノキオは人間になることが出来たので答えは"ノー!"

「あなただけ」
僕は君に誓った(初めてだった)
「あなただけ」
…シアワセな時間 鼻高々
今日もボクは 鼻高々

人間になったピノキオが初めて発した人間の言葉「あなただけ」
これは別に誰かに向けて言っているわけではない。散々キミに聞かされた言葉を言ってみているだけ。すでに人間になっているので平仮名。

ここでの僕は人間になったピノキオのことで、君は人形にされた元人間。立場が入れ替わっているので、2番の僕と君が逆転している状態。
人間になったピノキオは、元人間がそうしたように、人形となった彼を抱き締めて同じように繰り返す、人間として言葉を話せることが嬉しくて仕方がないから。

「あなただけ!」
「あなただけ!」

「あなただけ!」


最後は人形にされた元人間視点。表記は逆転してボクになっている。
人形視点なのでカタカナ『…シアワセな時間』
カラダを奪われてしまって全然幸せなわけないので嘘を吐いている『鼻高々』
そもそも今のカラダはピノキオが散々嘘を吐いて鼻も伸びきっていたので『今日もボクは 鼻高々』


最後の笑い声は人間になれたピノキオ。
恋のお話と見せかけて、人間がピノキオに騙されるお話。バッドエンド。


Who done it?="Pinocchio"


これはピノキオが題材で、物語を読み解くギミックと聞いた時、歌を聞くより先に一番に思い描いたストーリー。
当てはめてみたものの、やはり先入観が邪魔をして少し整合性に欠けている気がするが、一番ピノキオっぽい。





あともう一つファンタジーではない男女3人のお話として
ボク:男その①、キミのことが好き
僕:男その②、君のことが好き
キミ=君(同一人物)
ボクと僕は同じ女性を愛してしまった。女性は二股をしている。
それに激昂したボクは星も眠りだした夜に、愛したキミと浮気相手の僕を殺してしまう。『キミと僕が重なった』はその死体が重なり合っている。『2人頷いた』は死んでぐったりしている2人が首を垂れている。

Who done it?=ボク

…といった具合でも考えていたんだけど、あまりに「あなた」と「アナタ」の整合性がとれないのと、流石に淳太くんはここまで酷いストーリーは書かないだろうと思って、文字に起こすのは諦めました。



またヒントが出たら追記なり削除なりするかもしれませんが、以上が私が"Pinocchio"から紡いだストーリーです。


考えるのはめちゃくちゃ楽しかったし、単純に曲としても本当に大好き!
やっぱり淳太くんは最高のエンターテイナーだよ!!!


お付き合いいただきありがとうございました!