戦う君よ、世界を愛せるか。

自己泥酔でふらふらなオタク

彼が"現実を突き付けるアイドル"と名乗るワケ〜堂本光一【KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2015 Spiral】円盤感想〜

 
 
2015年夏に行われた、約三年ぶりとなる堂本光一さんのソロツアー【Spiral】
 
この公演よりも遅くに終わった他Gのコンサートが続々と発売されていく中、満を持して【Spiral】も横アリ公演を収録したDVD/Blu-rayが発売された。
 
私は幸運なことに、城ホと横アリに参加することが出来たのだが、当時はいかんせん自Gのツアーとだだかぶりしていた為に、碌な感想も書けず仕舞だったので、今回の円盤化に伴って、言いたいことを言いたいだけ吐き出したいと思う。
 
 
※文章の都合上、断定的な言い切りをしてますが、文末には全て「だと私は思うよ、本当のとこは知らんけども」がつきます。
さらに、この【Spiral】に関しての光一さんの雑誌インタビューや発言をほとんど追っていない上、まだドキュメントを見ていないので、見当外れなことを言ってるかもしれません。その時は指差して笑ってやってください。
 
 
では、セトリに沿ってがっつりいきまーす!
 
 
 
 
 
 
 
OVER TURE
 
客席の明かりがふっと落ち、おどろおどろしい音楽と共に無数のレーザーが放たれる。(これ、ドームレベルの数を使用してるよね、光一さんはいつものことだけど)
そしてツアータイトル【Spiral】になぞらえて、メインステージに現れる巨大な円型照明トラス。
 
これがステージの立体感を最大限に引き出している。
 
光一さんが使っている照明はほとんど、色や動きを自由に操ることのできる「ムービング」という機材だ。しかし、ムービングであっても、光が放たれる位置(光源)は、トラス自体を動かしでもしない限り、最初から最後まで固定されている。
仕込みの段階で、前後上下に距離感を変えることは出来るが、あまりにもバラバラに配置してしまうと統一感がなくなってしまうので、照明の光源位置というのはセオリーもあって、実はかなり限られてくるのだ。
それ故、注意しなければ、のっぺりとした平面的な明かりになってしまう。
 
しかし、今回この円型トラスを使うことによって、規則的かつ立体感のある光源の配置を違和感なく実現させていた。
これまでも、センターステージを使った円型の配置は、光一さんは勿論、色々なGも行ってきたが、それをあの規模でメインステージに用いることが、とてもすごいことなのだ
 
そんな円型トラスは本来の、照明を吊るという役割だけでなく、セットの一部として異様な存在感を放っているのがまた素晴らしいところである。
 
そして、仕込まれた途方も無い数の照明を稼働させたライティングショーで、じわじわと客席の温度を上げ、期待が最高潮に高まったところで明かりが一斉にひとつの場所に集まると、そこにフードを目深に被った光一さんが現れる。無数の光に照らされ姿を現わす様はまさに「神、降臨」だ。
 
 
 
FAME
 
ダンスから始まるという珍しいOPの後、このステージの一曲目を飾る「FAME」
アルバムのリード曲でもあるが、近年の光一さんはセトリ一曲目にリード曲を持ってくる傾向にある。アルバムからのコンセプトとまとまりを重視したそれ自体は珍しいことではないが、一から全て自分の手でプロデュースしている光一さんのこだわりを勝手に感じてしまう。
 
原曲とは違い、Bメロの英語詞から入るのだが、サビ前にあえてブレイクを入れ、特効で派手に観客の視界を奪うと、次に私たちの目が捉えるのは、被っていたフードを取り払い出現した美しいお顔…というこの一連の演出が、何度見ても鳥肌を抑えることが出来ない素晴らしい始まりなのである。
 
個人的にアルバムの中でもかなりお気に入りの一曲なので、ナチュラルに一番を飛ばされた時は少し切なかったが、満足感のあるOPだったからか、DVDを観るまでそんなことは忘れてしまっていた…。
 
 
 
Danger Zone〜to the unknown world〜
 
前回のアルバム【Gravity】のリード曲であり、OPであった曲。
円盤が徐々に赤く色付いていく様は、とてもぞくぞくさせられる。
 
トラヴィスさんに振付をもらったこの曲を初めて見たとき、ものすごく違和感があったのだが、今はもうすんなりと、と言うかどうしようもなくクセになってしまっている。
 
フリといえば、Bメロの例のフリで客席が盛り上がるのは、個人的にはあまり好きではないのだが、もうこうなると恒例になるのだろう…。
 
 
 
MUSE
 
この曲のダンスが堪らなく好きだ。
 
「You're my MUSE」の両手を挙げて身体をくねらせる光一さんはフェロモン全開だし、「絡みついた」の手首で首筋をなぞる振りは、引き画が多い中、よくぞこのアングルを入れてくれたと泣いて感謝する程に美しい。(嗚呼、間違いなく貴方こそが「MUSE」です…。)
 
そしてサビは正に「音の可視化」に特化したダンスだ。
サビに入ってすぐの、上手に寄った時のダウンなんてもう感じた音そのままを表している。サビ繰り返し部分の柔らかい膝の動き(名称わかんない)も、音にピッタリでとても気持ちがよくなってしまう。
聴いた「音」をそのまま形として「見る」というのはこんなにも気持ちがいいのか、と。
 
また、この曲は振りだけでなく、照明もかなり音に沿ったものとなっていた。
聴きながら「あぁここでシーン(照明)変えたいなぁ。でも全部やってたら途方も無いよなぁ。」なんて思うタイミング全てを拾ってくるのだ。映像では分かりづらいのが残念だが、生で観た時には、なんて贅沢な照明なんだとうっとりした。
そんな照明もダンスも共に「楽曲の世界観」を表現しているのではく、本当に「音そのもの」を具現化したようだった。耳は勿論、眼まで気持ちの良い一曲だ。(何言ってんだって感じだろうけど、きっと共感してくれる人がいるハズ)
 
あと、一番と二番でダンサーさんも含めほぼ同じ振りと照明いうのは、割と珍しい気がする。
 
 
 
Slave Maker
 
「OK! Hands up come on!!」
これがこのコンサートで光一さんが発した最初の言葉である。そういえば冒頭の挨拶なかったなぁ、と。(個人的には、完璧な世界観に浸りたいのでそれでも全然いいのだけれど)
 
最初は「ここでこの曲を入れてくるのか」と驚いた。まさか前作から生き残るとは思っていなかったのだ。
冒頭から、光一さんの創り出すステージの「傍観者」であった私たちを「参加者」にする為の一曲だったのかなぁと、勝手に思っている。
 
 
 
INTERACTIONAL
 
軽いinterの後、原曲にはないイントロで登場。
短いフレーズを踊り、音楽と共に静止すると、客席から歓声があがる。この部分、すごくマイケルジャクソンっぽいなぁと思ったのは私だけだろうか。
 
そしてカツカツという靴音と共に、女性ダンサーさんが板に着くと、指鳴らしを合図に楽曲が始まる。うーん、文句無しにお洒落な入り方である。
 
光一さん自身「いままでにないジャンルのダンスなので、受け容れてもらえるか少し心配」と語っていたが、本当に正直に言わせてもらうと、私自身はあまり好みのジャンルではなかった。
が、好みはさて置き、表現は勿論とても美しいし、なによりもこの曲を踊る光一さんは、本当に気持ち良さそうなので、やはり大好きなのは間違いないのである。
 
 
 
Knocked me down
 
これまたお洒落な曲が続く。
激しく踊る曲ではないが、照明も暗めで大人の色気溢れる仕上がりだ。女性ダンサーさんとの「and over〜」の部分のウエーブはたまらなくエロい。
あと、生で観た時は、サビの後半で歌う主旋律がまさかのオク上でびっくりした。
 
 
 
Come closer
 
一面真っ赤に染まったLEDパネルに、生きた人間のシルエットがまるで二次元かのように映し出される。
LEDパネルをバックライトのように使い、前からの明かりを消すことで浮かび上がったシルエットが、映像かのように動くこの演出は何度か使われているが、わかっていても錯覚してしまうし、どうしようもなく心奪われてしまう。(関ジャニ∞がこの手法をコンで使った時には嬉しくて咽び泣いた)(FftE)
 
そして、その演出のためとは言え、Jr.でもないダンサーさん一人一人にピンを当てるのは、光一さんくらいなものである。
 
上からの明かりを極端に減らし、LEDを最大限に使用したステージは、本当に先程までと同じ場所なのかと疑ってしまう。
空間の明かりが少ない分、やや平面的であるが、それがまた映像のような物理的な「二次元感」を引き出していて、とても不思議な感覚になってしまう。ほんと、好きです。
 
 
 
Night Wanderer
 
通常、人間に緑色の明かりを当てるのはよろしくないものされている(顔色が悪く見えるから)のだが、この曲はそれがプラスに働き、独特の怪しさを表すのに一役かっている。
 
そして何と言ってもこの曲は、センステに移った後のレーザー演出である。
 
真っ直ぐ伸びた緑色のレーザー光線に向かって光一さんが振りかぶると、そのままその光を掴んでしまうのだ。これは去年のV6のコンサートでも同じ手法が使われたが、何せ初見はこの【Spiral】だったので、初めはとんでもなくびっくりした。
まあすぐに仕組みは予想がつき、その後入った全ての公演でこのシーンを双眼鏡で凝視したのだが、カラクリが分かっていても、本当に光を掴んでいるようにしか見えないのだからすごい、というか怖い。映像で見ても寸分の狂いないのだ。怖い。
以前から「光一のコンサートは照明が凄い、照明を操っている」とよく言われていたが、今回ついに文字通り「照明を操って」しまったのだ。怖い。
 
それにしても「.image」を使った時もそうだったが、演出のためとはいえ、主役への明かりをこんなにも長い間暗くすることに、よく許可が下りたなぁと。いやまぁ、光一さん自身がそうさせているんでしょうけど。
基本的に照明は「演者を照らすもの」であって、たとえ演出の為であっても顔が見えない程暗くするのはあまり良しとされていない。ましてやそれがアイドル、ジャニーズともなれば尚更だ。
 
しかし、光一さんの場合はこの曲に限らず、自身より演出をとり、表情がわからないような明かりを作ることが多々ある
勝手に「ジャニーさんに怒られてそうだなぁ」と思っているのだが、私はたとえ顔が見えなくても、そんな光一さんの「徹底的に作り込まれた空間」が大好きなのだ。
 
 
 
Over You
 
最初から畳み掛けるような演出の中、やっと挟める小休止なミディアムバラード。照明も必要最小限でゆったりと一息つける……と思った私がバカだった。
少ない照明はあくまで布石、オチでステージ全体がぶああっとアンバーの空に染まると、ただただ感嘆の息を漏らすしかなかった。
油断していた分、その美しさにはより圧倒されてしまった。そんな私はきっと、まんまと光一さんの掌の上だったのだろう(笑)
 
 
 
IN & OUT
 
「高低差ありすぎて耳キーーンなるわ!!」
と、後藤さんよろしくツッコんでしまいそうになるほどの、打って変わって激しいイントロが流れ始めると、客席からは歓声があがる。みんなほんとにこの曲好きだなぁ…(私もだけど)
 
初めてこの曲が披露された【BPM】から皆勤賞の定番曲だが、【BPM】では、照明のあまりの凄さに、冗談抜きで泣きそうになったのを覚えている。
その最初の演出を踏襲しつつ、同じ曲で毎回違うものを作らなければいけない照明さんは本当に大変だなぁ、と。(一度明かりを作った曲で別の明かりを作るのって、本当しんどいんですよね…。)
 
ちなみに私は首を振らずにステージガン見勢です、ごめんね、光一さん…。
 
 
 
DEAD END
 
MC後、interを挟み始まるこの曲の演出に、頭蓋骨を殴られた観客は多いのではないでしょうか。(表現がヒドイ)
 
ステージの真ん中に登場するのは、鎖で両手首の自由を奪われ磔状態の光一さ…王子である。これが現実?本当に三次元?わけがわからないよ!(CV.キュゥべえ)
とまぁ、初見はこれを飲み込むのに大分時間が掛かったものだ。
 
両手を繋がれているので、当然ダンスで腕を使うことは出来ないのだが、下半身を中心に軽く踊る様は、見てはいけないものを見ているようで、なんとも言えない背徳感である。(御馳走様です)
 
勿論繋がれたままという訳にもいかないので、途中で鎖は外されるのだが、代わりに繋がれた女性ダンサーさんの顎を「助けは来ない」のフレーズでクイっとする仕草は、本当、あの、どこの女性向けアニメかと…。
 
あと、冒頭から細い明かりが、磔台をぐるりと囲むように真っ直ぐ伸びているのだが、これがまるで檻を表現しているようで軽率に興奮する。
光一さんが解放されると同時に、その明かりはゆっくりと飛んでいき、その後はバラバラと動いているので、この解釈でまず間違いないと思うのだが、普通では作れないこの明かりは、まさに円型トラスの本領発揮である。(というか気付くとトラス自体が傾いているのでビックリした)
 
 
 
SHOW ME UR MONSTER
 
この曲大好きなんです、本当。
 
まず衣装。前曲から着用しているこの衣装、私の見てきた歴代全ジャニーズ衣装の中でトップ5に入るくらいには大好きだ。
よく見れば、右は長袖、左はノースリーブと、ジャニーズらしいトンチキ具合なのだが、そんなこと気にならないくらい、高貴さとエレガントさとセクシーさと清純さを兼ね備えた、とんでもなく魅力的な衣装だ。
 
そして演出。MVになぞらえて、前半はステッキを持って踊るのだが、これがもう平伏す以外の選択肢が浮かばない程に気高い。
持つ人が持てばただの杖になってしまうような、いわばただの「棒」が、光一さんの手の中では、まるで空間魔法が使えるのではないかと思えるような「棒」になってしまうのだから、まったく罪深い。
ちなみに、このステッキを投げ捨てる瞬間が最高に冷酷に見えてぞくりとするので必見だ。
 
後半のサビはがっつり踊るのだが、またこの振り付けが私の好みど真ん中なのだ。
ブレイク後のサビは移動の為に踊らないのが非っっっっ常に残念なのだが、ダンス完全版のMVはすでに擦り切れるほど見ているので我慢だ…。
 
 
 
Bongo Dram
 
個人的に、今回ステージで一番化けた楽曲である。
正直なところ、アルバム時点ではそんなにピンと来なかったのだが、生でパフォーマンスを見てからだだ嵌りしてしまった。
 
そうなってしまったのは、主に踊りのせいだ。
決して単純にかっこいいダンスではないのだが、かなり独特な振り付けで、それがどうにもクセになって離れないのだ。
特にサビの「熱いリズム 刻み合う」の腰使いは、もう…なんだアレ。関節どうなってるんだ。「エロイ」とかそんな陳腐な言葉では表せられない。が、それを上手く表現する程の語彙を持ち合わせていないのが悔しくてならない。
とにかく百聞は一見に如かず。これは是非とも映像で堪能して頂きたい。(オススメは通常盤1:25.03)
 
あと、常々「照明がすごい」と言われる光一さんだが、意外と色をふんだんに使った明かりを作らない。が、これは珍しくカラフルな仕上がりだ。
色を多用するとどうしてもチープになってしまいがちなのだが、明暗にメリハリをつけ、さらにピンの色を頻繁に変え、人物自体を染め上げることで、見事に魅力的な照明になっているのは、もう流石としか言いようのない、プロの仕事である。ほんとに凄い…。
 
 
 
Just A Woman
 
ハンドマイクに持ち替え、ステージに出てきたバンド勢と歌う一曲。
実はダンス、というか、何かしらの演出を期待していたのだが、女性コーラスさんと歌う演出も新鮮でかっこいいので、もうどっちでもいい。
 
光一さんの歌う女性詞は、女らしさこそ少ないが、切なくて甘い歌声を引き出してくれるので、今後もぜひ積極的に歌っていただきたいものである。
 
あと、ラスサビ前の「I love you, just like that」でコーラスさんの口元だけを映すのが、最高にお洒落でかっこいい編集だ。
 
 
 
STELLAR NIGHT〜星のバルコニー〜
 
アルバム時点では、ちょっと浮いているなぁという印象が強かったのだが、まさか物理的に浮くとは思っていなかった…じゃなくて。生で観ると、入っていてよかったと思った。
 
メインステージは勿論、横アリの天井一面を覆い尽くす、青と白の電飾で出来た美しい星空の演出は、光一さんの十八番だ。
 
それに加え、ただのトラスだと思っていた頭上のソレが降りてくると、その姿を花道へと変える。そんな宙に浮いた青い道をゆっくりと歩く姿は、まさに天界人の空中散歩だ。
 
そして終わりに、一度消えた星空と花道が同時に染まりゆく様は本当に美しい。
 
 
 
Love Professor
 
アルバムで一番ジャニーズっぽい曲だと思っていたから、正直ダンスで見たかったよ!!
 
が、いつの公演だったか、普段人差し指を掲げるだけの光一さんが、何を思ったか「今日は大サービス!手ぇ振っちゃう!」とたまたま私のいたブロックに向かって満面の笑顔で手をぶんぶんと振ってくれたので、もう何も望まない。
ファンサをしないで有名なあの光一さんが、「私に」手を振ってくれたのだ…(と言ったら彼は「ハハッ末期ww」と笑うのだろうが)
 
 
 
Bad Desire -remix-
 
原曲よりもリミックスの方が多く歌ってるんじゃないかってくらいの頻度で登場するこの曲。まあ、このアレンジじゃないと踊らないバージョンは魅せにくいのだろう。
 
構成の関係とはいえ、赤い和風衣装でこの曲を歌うのは非常にミスマッチである(笑)
 
 
 
妖〜あやかし〜
 
床に埋められた明かりのストロボで、瞬間を切り取ったような演出が印象的なDanger Zoneを少しだけ挟み、やっと衣装に似合う曲がきた。
 
個人的にこの曲はABメロが好きなので、サビに飛んだ時は少し切なかったが、歌ってくれるだけ有難い。
 
 
 
 
今ツアーのセトリで意外性ナンバーワンだった。まさか、一回間を空けて持ってきてくれるとは思わなかった。
今回のアルバムでは、光一さんの代名詞とも言える「和風曲」がなかったので、その方面には期待をしていなかったのだが、思いがけず大好きな曲が聴けてとても嬉しかった。
 
放射状に放たれた少し濃いめのアンバーがとても美しい。こんなにもアンバーが似合う曲はこの「暁」かSMAPの「オレンジ」くらいなものである。
 
たまに寄り画になった時に映る指先が、どのタイミングを切り取っても、まるでイラストかのように綺麗な形を保っていて、見惚れるばかりである。
 
 
 
Deep in your heart
 
メンバー紹介の短いINTERACTIONALを挟んでの、外せない鉄板曲。
トップぅぅぅぅぅぅ!!!!と、未だにこの曲を聴くと、そう叫んでしまいたくなるのはどうしたものか。
 
イントロのカウントで首を掻っ切る振りが堪らなく好きだ。
もはや自分で踊れるくらいにはこの曲を見てきたが、全く飽きがこないのだから、この楽曲のパワーはとてつもない。
 
あ、二番前の「チャララララ〜」で毎回必ず白い明かりでゴボを回してくる照明さんが好きです(笑)
 
それにしても、どうしてINTERACTIONALをミックスしようと思ったんだろう…。
 
 
 
INTERACTIONAL
 
そして本編最後の曲……ってまた「INTERACTIONAL」かーーーい!!
光一さんって、気に入った曲を一公演で何回も歌う人だけど、さすがにここまでの回数挟んできたのは初めてだよ…(人はこれをFamily現象と呼ぶ)(知らんけども)
 
照明は結構派手に作ってあるのだが、本人はラフな衣装に、ハンドマイクで踊らないカタチである。
サビの「If You Want」で、LEDパネルに大きく単語が映し出される際、後ろに控えるバンドさんに明かりが当たっており、その姿がパネルの荒い目から透けて、まるでレイヤーをオーバーレイで重ねたように見えるのがとても洒落ている。
 
正直なところ、一回の公演で同じ曲を繰り返されるのは好きではないのだが、普段あまり「楽しく」歌うイメージのない光一さんが、この曲は本当に本当に楽しそうに歌うので、何度歌われてもその姿を見れるだけで幸せである。
 
さらに、挨拶を挟んで最後のワンフレーズ
 
I…Love…You…
別れ際はきっと 切ない
Always hard to let you go
(いつだって手離し難い) 
 
ああ、これはもうこの曲で締めるべきだったのだ。
MCで散々ファンをイジりまくっておいて、こんなことを去り際に言い残していくんだぜ?本当とんだツンデレ王子である。恋するなって方が無理な話だ。
 
そしてバックライトにまるで吸い込まれるかのようにハケていき、壮大なる本編は終了だ…。
 
 
 
〜EC〜
 
SHOCK!
 
会場すべてのムービングではないかと思ってしまうほどの無数の光が、たった一人を照らし出すこの瞬間を表す言葉が、神々しい以外に見つからない。
 
アンコールと言えば、ファンサービス。客席を回ったり、最後にもう一度盛り上げたり…といった固定概念は、この人には通用しない。
信じられないのだが、アンコールなのにOP一発目レベルのクオリティで歌い踊るのである。
 
ケント モリさんに付けてもらった振りは、素人でもわかるMJリスペクトだが、それを光一さん自身が咀嚼し表現しているので、もはや全く新しいジャンルのように感じる。
それにしてもこの振り付け、重心の移動を無視した動きが多くて鬼畜だなぁ、と(笑)
 
サビの「SHOCK!」に合わせて、恐らく機材の最高速度で飛ばしているであろう照明が、たまらなく気持ちがいい。
 
本編でこれでもかというくらい歌い踊り、出し尽くしてくれたにも関わらず、更にその上を更新していく。彼は一体、どれだけ限界と云う名の扉を開けるつもりだろう。
 
あと、この衣装、特にキラキラと輝く膝まで覆ったブーツのせいで「黄金聖闘士…?」と思ってしまったのはここだけの話にしておいてほしい。
 
 
 
LOVE CRIES
 
銀テープを発射した後、天を仰ぐ光一さんのショットが、今回の【Spiral】円盤のベストオブ美しいです。
 
別に掠れているわけではないのだが、全てを出し切った後のこの曲を歌う光一さんの声は、どこか憂気で儚くて切ない、そして甘い。
 
この曲のピアノとストリングスをバックに挨拶をされると、どうしようもなく泣きそうになってしまう。
 
 
 
-so young blues-
+ MILLION but - LOVE
 
そんなアンコールらしくないアンコールをしておいて、ちゃっかりトロッコに乗って盛り上げ曲で客席を回るのだから、ズルい。
 
まあご存知の通り、手を振ったりといったサービスはないのだが、あの美しいお顔を少しでも近くで見れるだけで、やはり嬉しいものである。
 
 
 
そして全曲を歌いきり、メインステージに戻ってくる。
 
「ひとつ忘れてました…明日もあるんだった…」
 
と、光一さんなりのてへぺろ(に見せかけたその日その日に全てをかける、なんともらしい)発言から、やたら「現実に戻れよ!!!」と客席イジリを交えながら、それはもうしつこいくらいに「現実」を連呼する。
 
 
「コンサートが終わったら、現実に戻ってくださいね。」
 
一見すると軽口なように思えるこれは、裏を返せば、今この瞬間、夢のような世界を提供しているという自覚と自信の表れだと思うのだ。
 
事実光一さんは度々、恥ずかしげもなく、自分のステージを"夢の空間"と言う。
 
それは決して過言や妄言ではない。
 
なぜなら、コンサートに慣れてくるとよくある「あぁ、明日仕事かぁ…やだなぁ。」「あっ、家帰ったらコレしなきゃ。」という、どうでもいいことが何故か浮かんでしまう現象が、光一さんのパフォーマンス中は一度も起こったことがないからだ。
視覚と聴覚を総て支配された空間では、そんなことを考える隙などないのだ。
 
それなのに、MCになると一転「わたくし、現実を突き付けるアイドルとしてやってますので!」とおどけてみせる。
 
けれども観客は、その身を以って知っているのだ。
 
彼が誰よりも"夢を魅せてくれるアイドル"だということを。
 
 
 
Twitterなどでよく回ってくる「暴言」を見て、堂本光一を「面白い人だなぁ」と、何処かネタのように思っている人もいるかもしれない。
 
勿論、そんなお茶目な光一さんもファンとしては大好きな部分だが、
 
"現実を突き付けるアイドル"
 
その先にある本当の意味を、この【Spiral】で是非とも見つけ出して欲しい。
 
 
という、盛大なステマ…否、ダイマでした。
 
 
 

よく分からないけど、とにかく光一さんのコンサートを見てみたい!という方は、あの有名な、お客さんイジリMCと素敵なMVが入った通常盤がおすすめ。

 

 堂本光一は如何なる人か。彼のプロフェッショナルぶりに圧倒されたい方は、ドキュメントの入った初回盤がおすすめ。